まもなく、平成29年度の確定申告が始まりますね。
そこで、気になるのが、今年から開始された仮想通貨の確定申告ですが、色々な情報が飛び交って良く判りません。
今回、2/6(火)会計ソフトのfreee (フリー)PwC税理士法人金融部パートナー中村賢次先生及び、2/10(土)BITPOINT(ビットポイント)公認会計士・森井じゅん先生、各社が主催する「仮想通貨×確定申告セミナー」へそれぞれ参加してきました。どちらも300~400人以上の参加者で、テレビ東京・WBS の番組特集で撮影されていたりと、注目度の高さを実感しました。
それでは、2ヵ所で聞いた内容をまとめます(๑•̀ㅂ•́)و✧
確定申告(H29年度)
【申告期間】
平成30年2月16日(金)~平成30年3月15日(木)
※平日のみ。税務署の閉庁日(土・日・祝日)は休みです。
ただし、一部の税務署では、2月18日と2月25日に限り日曜日でも、確定申告の相談及び申告書の受付が可能です。詳しくは、国税庁のホームページ「平成30年2月18日及び2月25日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署」から確認できます。
【納税期限】
平成30年3月15日(木)
【振替日(振替納税の場合)】
平成30年4月20日(金)
※一括で支払できない時は、税務署に分割納税を相談してみましょう。
仮想通貨は、原則、雑所得に区分。総合課税で申告します。
- 給与所得などほかの収入と合算した額に応じて所得税がかかる「総合課税」の対象です。
- 所得が多いほど税率が高くなる。税率は15%~最高55%(住民税10%含む)
- 株式など他の金融商品や他の所得とは損益通算できない。
- 給与所得者で給与以外の所得が20万円以下なら申告不要。
※ただし、少額の利益でも住民税の申告をする必要があります。
万一、住民税の申告漏れがあると、罰金となります。(時効は5年。悪質な場合は7年分)
比較表 | 株式 | 外国為替証拠金(FX)取引 | 仮想通貨 |
---|---|---|---|
確定申告 |
不要 |
必要 |
必要 |
税率 |
一律20.315% |
【国内FX】 【海外FX】 |
■総合課税/累進課税 下記「所得税の速算表」 |
損失の繰り越し |
あり |
あり(国内FXのみ) |
なし |
(注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。
700万円×0.23-63万6千円=97万4千円※ 平成25年から平成49年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付することとなります。
出典:「国税庁:速算表」(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)
課税対象となるのは
- 仮想通貨の売却
- 仮想通貨での商品の購入
- 仮想通貨と仮想通貨の交換
- 仮想通貨の取得価額(原価)
- 仮想通貨の分裂(分岐)ハードフォーク等
- 仮想通貨に関する所得の所得区分:雑所得(事業所得)
- 損失の取扱い
- 仮想通貨の証拠金取引(レバレッジ取引、FX)
- 仮想通貨のマイニング等
※詳細は下記で説明します。
仮想通貨の単価を計算する方法について(移動平均法/総平均法)
- 移動平均法(仮想通貨の購入枚数と購入時の単価を平均して計算)
- 総平均法(年間に取得した仮想通貨を合計して単価を計算)
【注意】
どちらか選択できますが、必ず毎年同じ計算方法で申告します。途中で変更できません。
移動平均法・総平均法
【参考サイト】
経理・会計事務所向けエクセルスピードアップ講座
ビットコイン(仮想通貨)移動平均法・総平均法エクセル損益計算シート
こちらのサイトで、とても詳しく掲載されていたので紹介します。
エクセル損益計算シートもダウンロードできるようです。親切ですね。
※とても参考になるサイトでしたので、勝手にリンクさせて頂きました。不都合がありましたらご連絡下さい。
仮想通貨の売却
仮想通貨を購入し、日本円に売却した時。(利確)
例)
売却益=BTC売却時(120万円)ー BTC購入時(100万円)
=20万円(所得税の課税対象)
※含み益は、課税対象外。日本円に売却した時のみ課税されます。
仮想通貨での商品の購入
例)
BTCを購入(100万円)
1か月後にBTCでPCを購入(8万円)
1か月後のBTC相場(120万円)ーBTC購入時の価格(100万円)ーPC(8万円)
課税対象利益=12万円
仮想通貨と仮想通貨の交換
例)
BTCでETHを購入した場合、購入時の単価からその時点の売買益を計算して、その差益金額が課税されます。
海外の取引所の場合でも計算式は同じです。レートは購入した取引所のその時点でのレートで計算してOKです。(わからない場合は、別の取引所を参照してもOKとの事でした。証明できる参考資料は7年間保管しておきます。)
※ただし、取引所間(国内及び、海外)の移動は、差益ゼロとなり課税されません。
仮想通貨の取得価額
BTCを購入した際のレートが取得価格(原価)となります。
仮想通貨の分裂(分岐)
ハードフォーク等、分裂したオルトコインは取得価格がゼロとなります。売却時の価格全額が課税されます。
仮想通貨に関する所得の所得区分
仮想通貨の収入は税法上、譲渡所得、雑所得、事業所得の三つに分類されます。
基本的には、雑所得となります。
法人または個人事業主は、業務で仮想通貨を利用する必要がある場合、事業所得で申請できます。
※認めてもらう為には、根拠が必要です。税理士さんが、ハードルは高いと言ってました。
譲渡所得は、『モノ』を譲渡したことによる利益です。
譲渡所得は50万円以下の利益には課税されません。
譲渡所得全体が50万円を超えた際に税金を収める必要があります。
仮想通貨以外にも譲渡された所得がある場合には、その譲渡されたすべての所得を合算して50万円を上回るかどうかを確認する必要があります。
BTCが譲渡所得に入る場合の例
- 人から譲り受けた場合
- 給料の支払いとしてビットコインを得た場合
損失の取扱い
含み損は課税対象外ですが、利確したタイミングで損失が発生した場合は、損失計上できます。
仮想通貨の証拠金取引
レバレッジ取引や、仮想通貨FX で、利確して得た利益(損失)が課税対象となります。
含み益と含み損は、課税対象外です。
仮想通貨のマイニング等
(マイニングや、配当で得た利益)ーマイニングに掛かった経費(マシーンやPC等)=課税対象
Q&A
Q 節税について教えて下さい
A 経費や控除を上手に利用しましょう。
例)
損失のあるコインを年末に売却(たとえば、戻りそうもないもの等)
仮想通貨のセミナー代とその交通費
仮想通貨関連書籍
仮想通貨の情報商材
仮想通貨に関連する通信費
仮想通貨に関連するツールの購入(PC等)
ふるさと納税
国や地方公共団体、特定の公共法人などに寄附
住宅ローン控除
確定拠出年金
生命保険
Q 個人事業主登録や法人化した方がいいですか?
A 事業として認められなければいけません。
例えば、どうやって利益を得るのか、反復性・継続性はあるのか等。
仮想通貨が事業に必要なものと理解してもらうには業種によるので、ハードルが高く、必ずしも事業所得と認めてもらえない場合があります。
含み益がある時は、時価評価で申告しなくてはいけなくなるリスクがあるかもしれません。
Q マレーシア等、タックスヘイブンの海外へ移住すると納税不要ですか?
A 12月末日までに住民票を抜いて日本非居住者になれば、翌年に支払う住民税・国民健康保険料・年金費用等は掛かりません。ただし、非移住者は年間183日以上海外に滞在する必要があったり、ルールがあるので気を付けましょう。
- 海外移住 → どこで稼いだお金も、日本で納税しなくてはいけない決まりがあります。
- 日本非居住者 → 仕事や家族等の状況を見て決まります。非居住者に対する課税(国税庁)
※租税回避になると、罰金となるので注意が必要です。
※高額な有価証券(億越え等)は、現在、出国税が掛かります。仮想通貨は今の所掛かりませんが、今後掛かる可能性があります。
【参考サイト】
旅するように暮らす海外生活術 One Bag Living
仮想通貨で大幅な利益を上げたなら住民票を抜く「海外転出」の手続きをするのも一つの手。住民票を抜くメリット・デメリットを説明します。
※とても参考になるサイトでしたので、勝手にリンクさせて頂きました。不都合がありましたらご連絡下さい。
Q 詐欺やハッキングは損金として計上できますか?
A 詐欺の場合は、自分で送金しているので損金計上できません。
ハッキング等でコインが流出した場合は、自分で送金はしていないので詐欺にあたらず、雑損控除できます。
「会計 freee for 仮想通貨」の自動入力が凄い!無料で使えて便利!
無料で簡単に使えるfreee のソフトに、仮想通貨を申告する人の為のプランができました。
「会計freee for 仮想通貨」
取引履歴のCSVをアップロードすると、一瞬で総平均法で損益通算を自動算出してくれます。これは便利!という事で、早速申込しました^^
先着5,000名のみ先行申込受付中のようです。無料なので、使いたい場合は、早めに申込しておくといいと思います。
対応可能な取引所(国内のみ)
- ビットフライヤー
- ビットバンク
日々入力していくと、確定申告の表を自動で出力できるので、楽ですね♪
「Cryptact」国内外の複数取引所対応!色々なコインを取り扱う人にお勧め!
こちらも素晴らしい無料ツールです。
クリプタクトの中心メンバーは、ゴールドマン・サックスにてヘッジファンドの運用や様々な金融システムの開発を経験しています。
国内外で多くの仮想通貨取引所との対応をおこなっていて、日本で取り扱いのない仮想通貨銘柄を購入するために海外の取引所に口座を解説している人にとってはとても使いやすいサービスです。
国税庁の指針に従った計算方法を取り入れて、手数料も正確に計算してくれます。
海外に住む人のために米国税制にも対応!マイニング報酬に関しても対応していて、「多機能なのにシンプルで使いやすい」ツールです。
対応可能な取引所(国内)
- ビットフライヤー
- ザイフ
- ビットバンク
- コインチェック
対応可能な取引所(国外)
- BITFINEX
- binance
- BITTREX
- Cryptopia
- Trades
- HitBTC
- POLONOEX
- Kraken
- changelly
- CoinExchange
おまけ・参考になった動画
税理士による税理士の為の、仮想通貨の確定申告と実務の内容です。更に明確になりましたので、参考に貼っておきます。
まとめ
仮想通貨の確定申告は、計算が細かくて過去に遡るとレートも調べなくてはいけないので、かなり面倒だなという印象ですが、会計ソフトを使うと自動計算してくれて、意外と簡単かもと思いました。ただし、利用する取引所が多い場合は、やはり面倒かもしれませんね。( ˘•ω•˘ ).。oஇ
【国税庁・個人課税】詳しい資料をダウンロードできます。
かなり詳しく計算式のシュミレーションが書かれていますので、こちらも参照して下さい。
これからやる事
仮想通貨(ビットコイン)の確定申告の準備
➀申告書(確定申告書A又はB)
※事業所得や不動産所得のある方、分離課税、損失申告書を提出する方は確定申告書Bも必要です。
➁添付書類(源泉徴収票)
➂必要な書類
・生命保険料・損害保険料の控除証明
・医療費の明細書(医療費控除を受ける場合)
・他に所得や所得控除を受ける場合、必要な書類を用意
➃仮想通貨(ビットコイン)取引に関する書類
・仮想通貨の入金・出金明細書
・各ウォレットの残高のスクショ
・仮想通貨(ビットコイン)取引履歴のスクショ
先に、取引所のCSV資料をダウンロードして印刷しておきましょう。計算はエクセルで計算してOKです。総平均法なら、年間の金額をまとめて一括で合計して計算できるので、早いですね。移動平均法の方が所得金額が安い場合もあるので、どちらか決めておくと良いでしょう。
利益と掛かった経費をエクセル等で計算すればOKです。
それを元に、確定申告の書類に記入し、提出します。
仮想通貨に関する添付書類は不要です。ただし、お尋ねが来た時にいつでも対応できるように、CSVや経費の領収書等、証拠書類を7年間ファイルして保管する必要があります。
どうしてもわからず、困った時は、税務署へ聞きに行って下さい。
税理士も30分5,000円~相談を受け付けているようです。ネットではなく対面が良いそうです。
ネットで相談する場合、怪しいサイトもあるので警戒する事!(お得になるとか、節税になるとかNG!)
次回は、「【最新情報】仮想通貨の確定申告書類の入力(書き方)と申請方法」をアップします!(๑•̀ㅂ•́)و✧
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